開業時の内外装費は極力抑える
2015年8月18日
物件費用について開業資金の多くを占めるのは、内外装費です。そのポイントについて解説します。
◎内外装費は極力安く仕上げ、什器や厨房設備などの設備費を厚くする
カフェの場合、開業資金は、床や壁などにかける内装費や外観を作る外装費をなるべく抑えて、できるだけ設備費に回しましょう。木目ふうや石壁ふうなど、特別に凝ったデザインの内外装費を除いて、「床や壁は、たとえばコンクリート打ちっ放しなどドライに仕上げ、その他の設備費、什器設備や食器やインテリアに力を注ぐのが良いでしょう。
厨房機器には少なくとも100万円程度の投資がかかる場合が多いですから、開業資金にゆとりを持たせ、開店後の運転資金を確保しておくためにも、省けるところは省くという思い切りが必要になってきます。
内装に関していえば、業者に依頼する場合、費用の内訳は、設計費、材料費、職人の手当て等となり、すべてお任せなら、1坪50万円から場合によっては100万円程度かかります。
もちろん物件の広さ、工事期間で金額は大きく変わります。「自力でやれるところは自力でやる」気構えも大事です。こと個人経営の店であればなおさら。むしろそれを楽しむつもりで臨むとよいでしょう。そうすれば1坪10万円程度まで下げることは十分可能です。
◎キッチンの作業導線と配管チェック
厨房では、食材を「取り出す」→「洗う」→「切る」→「火を入れる」の4つの基本作業の流れがとても大切です。スムーズに動けるような作業導線が確保されてないと、調理の手順にロスが出たり、キッチンスタッフがぶつかったり、やけどや怪我をすることも考えられます。依頼した設計図面が出来上がったら、「冷蔵庫」→「シンク」→「作業台」→「ガス台」と、順序よくレイアウトされているかどうか確認してみて下さい。
◎現実的な資金分配を・・
不況下のいま、カフェを新規開業する個人オーナーの自己資金は、数約万円からせいぜい1000万円程度。中には1500万円、2000万円といった大金を用意できる人もいますが、上をみればキリがありません。
ないものねだりよりも、足らない部分を補う知恵を絞り出します。「自力でやれるところは自力でやる」精神を思いだしましょう。配管工事や素人ではアラが目立って難しい天井のボード張りなどは、プロに任せるとして、柱や壁の塗り替え、床の張替え、キッチン棚を作る、カウンターのタイル張り、黒板付きの看板などはできるかぎりチャレンジしましょう。
開店準備のなかでも、内装の費用はもっとも相場がつかみにくいところ。それだけに業者任せになったり、「これくらいの出費は当然か」と諦めがちになることも多いようです。しかし「自分でできることは自分でやる」精神で取り組めば、数十万円から場合によっては100万円単位位のお金を節約することも可能。
材料も、よほど特別なもの以外はホームセンターで格安に仕入れられます。DIY講習もありますし、店員さんからレクチャーを受けるのも良いでしょう。工具レンタルサービスというのもあります。
もちろんプロの業者から相見積もりを取り、値切り交渉もしっかりやりましょう。
いざ自分たちで内装に取り掛かったものの、ふたを開けると塗料の色が微妙に違う!」「タイルのサイズが合わない!」などのアクシデントはつきもの。これは仕方がありません。そんな時は手作り感も個性の一つと考えると楽しいものです。「手先が器用じゃない」という人もペンキ塗り程度ならできるはず。一つでも内装工事に携われば、店作りの実感が断然違ってきます。
人手が足りなかったら、親しい仲間に頼み込んでワイワイとやりましょう。そんな楽しみ方も、カフェ作りにはお似合いなのです。しかし注意しておきたい点があります。それは工事期間でもカラ家賃が発生すること。業者だと数週間の工事だとしても、素人工事ではそれだけ長引きます。
この時期は、同時並行でほかの事務的仕事も片付けたいところ。仲間とワイワイやりながら、ちっとも進まない、では家賃ばかり無駄になってしまいますので、現実的なプランの上で、倹約と店作りの達成感を両立させて下さい。
2015年8月18日
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