カマをおろし刺身にする
2014年7月5日
切りつけで魚の持ち味を引出し、おいしい刺身に
刺身のおいしさは、包丁の切りつけで決まるといっても良い。新鮮な魚貝を素材に使うことはもちろんですが、その持ち味を引き出すのは包丁技術です。切りつけるだけというシンプルな調理であるだけに、切りつけの腕がもっとも問われる厳しい料理でもあるのです。
刺身の鮮度を見せるためには、切り口がスパッとなめらかで、角がキリッと立った造り身に切りつけなければならない。当然、よく手入れのされた刺身包丁を使う必要があります。刺身包丁は細身で刃が薄く、刃渡りが長いのが特徴。切っ先が鋭く、刃がゆるやかな曲線になっている柳包丁がよく使われています。
刺身の切り付けは、この刃渡りをいっぱいに使い、すっと一息に引くことが基本です。ある程度スピードも必要で、切りつけに時間がかかっては鮮度が損なわれてしまいます。身のやわらない魚をゆっくり切りつけたのでは、身割れもしやすくなります。小気味のよいリズムで手早く切りつける技術を習得しましょう。切りつけの方法によっても、同じ魚貝でも刺身の味わいは変化します。
カマのおろし方
3枚におろした上身と下身からカマの部分を切り離します。おろした上身は腹側を右にして縦におき、中骨のところから包丁を入れて尾の手前で腹身の方へ斜めに切り落とします。カマのついている腹身は、胸ひれの後ろに包丁を入れカマの部分を切り落とします。残った腹身は包丁を寝かせて腹骨をすき取ったら中骨の部分を切り落として形を整えます。下身も同様にカマをおろします。
最後にカマの部分の胸びれと腹ひれの先を斜めに切りそろえ、見栄えよく仕上げます。尾の近くで斜めに切り離すのは背身の身幅が尾の辺りで細くならないよう幅を揃える為です。
頭を梨割りにする
頭を梨割にします。頭は口を天に向けておき、顎が左にくるように立てておきます。口を空けて歯を出し、上の前歯の間に包丁の刃先をあて、刃先がまな板にあたるまで差し込んだら喉元をしっかりと抑えそのまま押し下げて、一気に切割ります。切り開いたら下顎の軟骨を切って切り離します。まな板に包丁の切っ先が刺さる位の気持ちで押切できります。
皮をひく
筋取りをした身を、身幅の狭い尾側を左、皮目を下にしておき尾の付け根に皮一枚残して、包丁の先で切り込みをいれます。切り込みから皮と身の間に包丁を寝かせて入れ左手で皮を前後にひっぱりながら刃全体を使って皮を引いていきます。皮と包丁の両方を動かしながら行います。この時包丁の刃をほんの少し立ててまな板にしっかりと押し付けるようにするのがポイントです。
そぎ造り
皮目を下にして身幅の広い方頭を左にしておき、左端からそぎ身にしていきます。包丁の刃を右に少し寝かせ刃元から入れたら刃渡り全体を使って削ぐようにして手前に引いいて切ります。切り終わりに包丁を立てて切っ先で引いて身を切り離します。
引き造り
引き造りです。そぎ造りの場合とは反対に皮目を上にします。身に厚みのある方を向こう側にしておきます。右端から切っていきます。切り始めは刃元をまな板の角にあて刃渡りを一杯に使って刃元を引き上げるようにしながら一気に引いてきります。最後に手首を返し一枚毎に右に送ってまとめます。切り口の角がきっちりと立つように切ります。
2014年7月5日
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