刺身包丁の特徴と用途
2015年8月1日
和包丁の種類は出刃包丁、刺身包丁、薄切り包丁、特殊包丁などがあるが、いずれも基本的に片刃。片刃だから素材に対して鋭角に入り、切れ味の鋭さが生み出され、素晴らしい料理ができあがる。
◎刺身包丁
刺身包丁は、その名のとおり、刺身を切りつけるための包丁です。刺身は、魚の鮮度やおいしさを切り方ひとつで見せるという、きわめてシンプルな料理であり、それだけに包丁の切れ味が問われる料理でもあります。
さらに、店によっては客前に出して恥ずかしくない、包丁の格というものも考慮したい。また手入れのされてない包丁では、角の立った刺身に引くことはできない。きちんと包丁を手入れすることも重要です。
刺身をおいしく見せる、なめらかで美しい切り口を作り出すため、刺身包丁は他の包丁とは異なる特徴を持っている。まず、刺身をひと息に引ききることができるよう、刃渡りが非常に長く、刃の幅が狭い。すっと細身の形であり、刃の厚みも薄く鋭くなっている。
こういった特徴があるから、なめらかで美しい角の立った刺身に作ることができ、身のやわらかい魚であっても、身を傷めることなく包丁を入れることができます。
刺身包丁の刃渡りの長さは、180mm程度の小型のものから、390mm程度の大型のものまで、さまざまなサイズのものがある。一般には270~330mmのものが多く使われている。
各店の厨房やまな板の大きさによっても、使いかってが大きく変わってkるので、それぞれの条件を考慮して選ぶと良いでしょう。
◎刺身包丁の種類
刺身包丁は、「柳刃」、「タコ引き」「フグ引き」の三種類に大きく分けられる。刃渡りが長く、細身で刃が薄いという特徴は同じだが、刃の形や幅の厚みなどが少しずつ異なる。
◎柳刃
もともと関西方面で使われていた刺身包丁ですが、現在では全国に広まり、刺身包丁としてもっとも多く使われている。切っ先が鋭く尖り、刃の幅が狭い。刃元から切っ先まで、柳の葉のようにゆるやかな曲線になっているのが特徴。その形が柳の葉に似ていることから「柳刃」の名があります。
身のしまった白身魚のそぎ造りや細造りなどに向いている。また、切っ先が尖っているので、切り込みなどをいれやすく細工造りにも適している。仕事の幅の広さも、人気の高い理由のひとつ。
◎タコ引き
「タコ引き」と「柳刃」の大きな違いは切っ先の形で、タコ引きは切っ先が角になっている。刃は曲線ではなく、刃のアゴから切っ先まで一直線なので長さが取りやすい。そのため、マグロのサク取りなど長さや幅のある魚の仕事に向く。また、刃は柳刃よりやや薄いので、身のやわらかい赤身の引き造りにも適している。関東でもおもに使われているが、最近では、柳刃の需要の方が高くなっている。
◎フグ引き
柳刃同様、切っ先が尖っていて刃がゆるい曲線になっているのが特徴。刃の幅は柳刃やタコ引きに比べて狭く、刃も薄い。その分、フグやコチ、カレイなど身が薄くてしまっている白身魚の薄造りなどに適している。得にフグ料理店での需要が高い。
2015年8月1日
この記事の内容はいかがでしたか?
この記事が参考になりましたら下記のソーシャルメディアボタンで共有していただけると嬉しいです!
刺身包丁の特徴と用途の前後の投稿記事
≪ 前の記事:出刃包丁の特徴と用途 を読む
≫ 次の記事:薄刃包丁の特徴と用途 を読む
特集
- 開業時の設備費や厨房機器は?
-
どんなお店だとしても、カフェのスタイルを取るなら、エスプレッソマシーンは必須。カフェの顔として、まずエスプレッソやカプチーノはメニューから外せないでしょう。
続きを読む 2015年8月19日
- 開業時の内外装費は極力抑える
-
物件費用について開業資金の多くを占めるのは、内外装費です。そのポイントについて解説します。
続きを読む 2015年8月18日
- 好立地条件も店のコンセプト次第
-
カフェ開業の第一歩どこに開店するのか?繁華街や人気スポット等の高額物件エリアに続き、オフィス街では、坪単価は2万円~3万円程度と一気に下がり、また地方の中枢年や、住宅街では、坪単価は1万円~2.5万円が相場とさらに下がります。問題は、家賃が高い「人気エリア」なら、それに比例して集客も売り上げも上がるのかという点です。
続きを読む 2015年8月14日
- カフェ開業のエリアと物件探し
-
物件探しは、お店の方向性作りと、オープン後の売上を左右する大事な要素です。その費用は、開業資金のおおよそ3割~5割。開業資金の実に半分近くを占めることもあるわけですから、それだけ力をいれなくてはならず、覚悟も必要です
続きを読む 2015年8月13日
- 店作りはオーナーのコンセプト
-
カフェほど、オーナーの「こだわり」が店の雰囲気を左右し、お客さんへのアピール材料になる業態はありません。カフェづくりで最も大切なことは、店の「コンセプト=店のこだわり」を決めることだと以前にもお伝えしました。それさえ頭の中でしっかりイメージできれば、半分はオープンにこぎつけたようなものです。
続きを読む 2015年8月12日
- 特殊包丁の特徴と用途
-
特殊包丁の特徴と用途。特殊包丁は、仕事を効率的に行うために、用途に合わせて開発された専用の包丁で、ハモ骨切り包丁やウナギ包丁、すし切り包丁などがあります。それぞれ個性的な形をしているものが多く、扱い方も難しが、これらの包丁と使いこなせるようになると格段に仕事の効率があがります。
続きを読む 2015年8月2日
- 薄刃包丁の特徴と用途
-
薄刃包丁は、むく、刻む、へぐ、そぐと野菜の仕事には欠かせない。プロの料理人が始めて手にするのもこの薄刃包丁です。野菜の仕事を通じ、包丁の扱い方や刃の動かし方、手の添え方など、包丁の基本を学んでいきます。薄刃包丁になれ、使いこなせるようになってはじめて、他の包丁も扱うことができるようになります。そのため、自分の手に合った使いやすい包丁を選ぶ事が大切です。
続きを読む 2015年8月2日
- 刺身包丁の特徴と用途
-
刺身包丁は、その名のとおり、刺身を切りつけるための包丁です。刺身は、魚の鮮度やおいしさを切り方ひとつで見せるという、きわめてシンプルな料理であり、それだけに包丁の切れ味が問われる料理でもあります。
続きを読む 2015年8月1日
- 出刃包丁の特徴と用途
-
出刃包丁は、ウロコを取る、頭を切り落とす、内蔵の処理をする、身をおろすと、魚の下ごしらえ全般に使う包丁です。また甲羅を割ったり、鶏をさばいたり、骨をきったりする時にも使います。
続きを読む 2015年7月30日