薄刃包丁の特徴と用途
2015年8月2日
和包丁の種類は出刃包丁、刺身包丁、薄刃包丁、特殊包丁などがあるが、いずれも基本的に片刃。片刃だから素材に対して鋭角に入り、切れ味の鋭さが生み出され、素晴らしい料理ができる。
◎薄刃包丁
薄刃包丁は、むく、刻む、へぐ、そぐと野菜の仕事には欠かせない。プロの料理人が始めて手にするのもこの薄刃包丁です。野菜の仕事を通じ、包丁の扱い方や刃の動かし方、手の添え方など、包丁の基本を学んでいきます。薄刃包丁になれ、使いこなせるようになってはじめて、他の包丁も扱うことができるようになります。そのため、自分の手に合った使いやすい包丁を選ぶ事が大切です。
薄刃包丁の大きな特徴は「薄刃」の名前のとおり、刃が薄いこと。刃が薄いから野菜の繊維をこわすことなく、ごく薄く刻んだり、へいだり、皮を薄くむいたりといった細かな作業がしやすい。
もうひとつの特徴として、アゴから切っ先まで刃がほど一直線であることが挙げられる。刃が直線になっているので、まな板に対して刃が均等にあたり、野菜をリズムよく刻むことができるのです。
さらに刃の幅が広い。幅の広さがあるから、幅広く皮をむいたりといった作業も可能です。大根のかつらむきのような繊細な仕事も、こういった薄刃包丁の特性があるからといえます。
◎薄刃包丁の種類
薄刃包丁は、関東と関西では刃の形が異なり、関東では峯の先が四角くなっている「東形」、関西では峰の先に丸みがある「鎌形」が主流です。切っ先は東型が少し丸く、鎌形は尖っています。
鎌形、東形のほか、鋒に特徴のある「角形」「菱形」といった形の包丁もある。こうした薄刃包丁は、ちょっとした細工切りなどもできるよう工夫されています。
角形は、東形に似た形だが、切っ先が直角に尖っている。そのため、「先角」とも呼ばれ、東形と同様に関東で多く使われています。菱形は鋒が鋭く尖っていて、細工もしやすいが、需要は少なくなっています。
薄刃包丁の刃渡りの長さは、いずれも150~300mmくらいまであるが、一般的には180mm、210mmのものが扱いやすいとされる。同じ刃渡りの長さでも刃の厚みなどにより、微妙に持ったときの重さはバランスが違ってきます。実際に握ってみて、感覚を確かめ、自分にあった包丁を選びましょう。
◎特殊な野菜の包丁
野菜の仕事は幅広く、より仕事がしやすいよう工夫された包丁もあります。
◎むきもの包丁
彩や季節感を添える野菜のむきものに使う包丁で、薄刃包丁よりも小ぶりで、刃も薄く、切っ先が尖っている。切り込みを入れたり、中身をくりぬいたりといった作業がしやすく、小型なので手になじみやすく、細かな細工仕事に向く。
◎くりむき包丁
これもむきもの包丁の一種で、栗など固い皮をむくときに使われる、小型ではと比較して柄が長く、しのぎがないのが特徴で、指先の加減を刃に伝えやすい。
◎面取り包丁
おもに野菜の面取りに使われる専用の包丁。片刃のほかに両刃のものがある。くりむき包丁と同様、刃と比較して柄が長く細かな仕事がしやすい。両刃のものもある。
◎菜切り包丁
家庭でも使われてきた野菜用の包丁。他の和包丁と違って両刃で、刃は薄く刃先が平らになっているのが特徴。まっすぐ切る作業に向く。
2015年8月2日
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