魚のおろし方
2015年6月19日
魚貝の鮮度を落とさないため、効率のよいおろし方を覚える
魚貝の料理をおいしくつくるためには、まずは、それぞれの魚貝に合ったおろし方を覚えなければなりません。下ごしらえの段階で、鮮度を落としたり、身割れさせてしまったりしたのでは、仕上がりの料理のおいしさも損なわれてしまいます。
特に刺身では、素材の新鮮さがおいしさを決めるといえます。効率よく魚をおろすことは、魚貝の鮮度を保つことにもつながるので、的確な動きを心懸けたいところです。 魚の下ごしらえの流れは、まず、ウロコを取って頭を切り落とし、エラ、内臓を取り除く。丁寧に水洗いして血合いや汚れを取り、刺身にする場合は、おろした身をサクに取り、皮を引いて仕上げる。個々の魚の性質によっても、その方法は少しづつ変わってくるので、数を多くこなして身につけよう。
たいていの魚のウロコは、ウロコの流れに逆らうよう、尾から頭に向かって包丁を動かし、こそげ取る。タイなどのウロコの固い魚はウロコ取りで、カレイやヒラメなどウロコが細かく重なり合っているものはすき引きにする。続いて頭を落とすのですが、タイなど頭に価値があるものは、頭にカマや胸ビレを残すたすき落としにします。
頭を使わない場合は、できるだけ頭に身を残さないよう、頭のつけ根のところで落とします。これらの仕事は出刃包丁を使います。特に身をおろすときは、魚の身や骨の感触を包丁で感じとりながら、刃の動きや角度を変えていかなければなりません。そのため、包丁は人差し指を包丁の峰(ミネ)に添えて、親指で腹を押さえ、刃がぶれないように握る事が大切。この持ち方ならば、包丁を寝かせてつかうことの多い作業でも包丁が安定するのです。
鯛の三枚おろし
ウロコ引きを使う場合
鯛を三枚におろします。まずウロコを引きます。ウロコ引きを使う場合は身が割る事もあるので注意して行いましょう。ウロコ引きを尾から頭へ向かって動かし、かきとる様にしてウロコを取ります。特にエラの裏側や頭の付け根、腹など下に隠れているところまでウロコを一枚も残さないよう取ります。その後きれいに水洗いします。
刺身包丁を使う場合
刺身包丁を使う場合は、ウロコを取りやすいように胸びれの先をエラの下へ差し込んでおき、頭は右に背側を手前にしておきます。尾から頭に向かってウロコを薄く削いでいきます。この時包丁は身に押し付けるように寝かせてあて、刃先から真ん中辺りまでを大きく前後に動かしながらウロコをすき取っていきます。端の方は包丁の刃先を魚の形に沿わせるようにしてすき取ります。両面のウロコをきれいにすき取ったら水洗いします。
頭を落とす
頭を落とします。頭を左にしておき、エラ蓋を持ち上げておき、三日月を切り取ります。裏返して反対側のエラ蓋を持ち上げて三日月を同様に切り取ります。頭を右、腹側を手前にしてて持ちエラの下から包丁の刃先を差し入れてエラの付け根を切り離したら包丁を下へまっすぐ下ろして頭を落とします。
エラ、内蔵を取り、水洗いする
腹の中央に切り込みを入れそのまま肛門産卵口まで、包丁を進めて切り開きます。身を持ち上げて刃先で内蔵の膜を切り離し内蔵を引き出します。
血合いをとる<
背骨の下にある血合いの部分を包丁の切っ先でかき出し、改めて水洗いします。竹笹らを使えば残った血などもかき出し安くなります。頭の付け根付近の左右にある血合いも取り残しのないようにきれいにかき落とします。細かい部分は笹らをつまむように細く握って持ち血合いをかき出します。
仕上げにエラの部分の血合いも確認します。血合いを全て取り除いたら冷水で腹の中まできれいに洗います。この後布巾で腹の中の水気をしっかりと拭き取っておきます。
三枚におろします。
まず下身からおろします。頭を右、腹側を手前にしておき、釜を持ち上げて腹骨の節目に包丁の刃先を入れて切り離します。腹側から中骨の上に包丁を沿わせるようにして入れ頭側から尾の付け根まで切り込みを入れます。再び頭側から包丁を寝かせて向こう側、背側まで刃を差し入れたらそのまま尾の付け根まで一気に切り進めて大名おろしにします。
上身をおろします。裏に返して背を手前にしておき、背側にも包丁を寝かせて刃先を入れて中骨に沿って身を切り進めます。切り開いた身を持ち上げて再び頭側から尾に向かって包丁を入れ腹側まで一気に包丁を進め切り離します。これで上身、下身、中骨の3枚おろしの完成です。
2015年6月19日
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